記録的な合格率の低さとなった柔道整復師国家試験についてです。
合格率50%を割った柔道整復師国家試験
2023年3月24日に、第31回柔道整復師国家試験の結果が発表されました。
今回の受験者総数は4,521名。そのうち合格者数は2,244名で、合格率は49.6%だったそうです。5割を割り込んでいます。
国家試験漏洩問題の影響で問題が難しくなったのではないかという噂もありますが、それにしても低い数字です。
柔道整復師に将来性や将来の需要はあるのか?
そもそも柔道整復師という資格の役割は、かなり限定されているのです。
法律で定義されている柔道整復師の業務は、打撲、捻挫、脱臼および骨折などの各種損傷に対して、外科的手術や投薬といった医療的手技を使用せずにその回復を図る施術をおこなうことです。
ですが、打撲、捻挫、脱臼および骨折をしたら、皆さんは整骨院に行きますか?
行かないですよね?
病院(整形外科)に行くはずです。
なぜならレントゲンもCTもMRIも病院でなければ撮れず、整骨院ではしっかりとした診断や治療ができない可能性が高いためです。
今の時代、整形外科は数多くあります。上記の疾患でわざわざ整骨院に行く理由がありません。
では実際は人々がどのような症状で整骨院に行っているのか?
これはもうデータを取るまでもなく明らかでしょう。多くの皆さんが肩こり腰痛で行っています。
ところが本来、肩こり腰痛の人を施術する専門家は、柔道整復師ではありません。
鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、整体師、リラクゼーションセラピストなどです。
柔道整復師は肩こり腰痛については専門外なのです。
にもかかわらず慢性の肩こりや慢性腰痛に施術をし、さらには健康保険をきかせている整骨院が多い(違法です)ために、現在は客に困っていないのかもしれませんが、いずれ取り締まりが厳しくなることは間違いないでしょう。
残念ながら、柔道整復師の将来性や将来の需要は低いと言わざるを得ません。
個人的に柔道整復師はおすすめできない資格
前述のとおり、柔道整復師はマッサージの資格でもなければ整体の資格でもありません。
個人の意見かつ穿った見方ではありますが、取得する理由が違法な保険請求をすること以外にはそんなに見当たらないような気がします。それこそ整形外科医がいないような離島や田舎で、「本当に柔道整復を業としたい」という高い意識をお持ちの方以外は取得を目指すべきではないのかもしれませんね。
そのような資格を安易に目指してしまう人たちだからこそ、この合格率の低さがあるのだろうというのが、率直な意見です。