スポーツ障害とは、スポーツに伴う運動によって関節、靭帯、腱、骨などに負荷がかかって引き起こされます。代表的なものに「野球肩」「テニス肘」「ランナー膝」「シンスプリント」「オスグット病」「疲労骨折」などがあり、軽度のものから重度のものまで、実に様々な種類の障害があります。
今回は、スポーツ障害のときにはどこに行く? というお話をしたいと思います。
スポーツ障害の相談先で迷ったらまず『整形外科』に行くべき
結論としてはこうです。
スポーツ障害が疑われるときは、まず整形外科に行きましょう。
入口は医師の診察であるべきです。
その理由としてはまず、レントゲン検査・CT検査・MRI検査・エコー検査をおこなえるのは病院だけだから、ということがあります。
スポーツ障害の多くは体の中で起きており、これらの検査なしに障害の原因を科学的に突き止めることは困難です。
そしてあまり本人が大した症状に感じていなくても、実はその後の選手生命に響いてしまうような重い障害が隠れていることもあります。その場合もこれらの検査で発見できることがあります。
また、診断行為は医行為ですので、法的には医師にしか「診断」ができません。
つまり、医師の診察を受けずに整形外科以外での施術のみを試すことは、自分の症状が何なのか確定しないまま治療をしていくことを意味します。
恐ろしいですよね?
スポーツ障害でまず行くべきは整形外科。
整骨院でもマッサージ院でも整体院でもなく、整形外科。
覚えておきましょう。
接骨院・整骨院、マッサージ院、整体院は役立たずなのか?
では、接骨院・整骨院、マッサージ院、整体院はスポーツ障害のときには役に立たないのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。
いずれもスポーツ障害の治療を得意としている院もあり、病院(整形外科)で診断がおこなわれた後であれば、有力な通院候補となります。
その際は、以下の特徴をよく把握した上で検討されると良いと思います。
接骨院・整骨院
柔道整復師がやっている医療機関です。
柔道整復師法により規定されおり、「打撲、捻挫、脱臼、骨折等の外傷に対して、外科的手段、薬品の投与などの方法によらないで、応急的もしくは、医療補助的方法により、その回復を図ることを、目的として行う」とされています。(ただし脱臼と骨折は応急の場合を除き、継続して柔整師が施術を行う場合は医師の同意が必要です)
マッサージ店ではないことに注意が必要です。
鍼灸院
鍼灸師がやっている医療機関です。
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律により規定されおり、その名のとおり鍼・灸をおこないます。
マッサージ院
あん摩マッサージ指圧師がやっている医療機関です。
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律により規定されおり、あん摩・マッサージ・指圧をおこないます。
整体院
整体師がやっている院です。
整体師は国家資格ではなく、整体院は医療機関ではありません。
民間資格もしくは無資格での施術となりますので、その技術内容や施術レベルは様々です。利用者側は慎重に選ぶ必要はあると思います。
前述のとおり、一言にスポーツ障害といってもその症状は様々です。
また本人が望んでいる治療のレベルも様々であることが多く、どの院に通っていくのかというのは、最適解がそれぞれのケースで異なることが予想されます。
入口は整形外科になるかと思いますが、その後はじっくりと考えて結論を出すようにすると良いと思います。