今回は、出張施術の依頼を受けるべきかどうか、というお話です。
※ここでの「出張施術」とは、国家資格者が医師の同意書を使用して健康保険にて施術をする「訪問医療マッサージ」のことではありません。ご注意ください。
店舗開業するなら、出張施術は絶対に断るべき
過去の記事で『出張施術(専門)での開業はやめましょう』ということを申し上げていました。そうしますと、
「では店舗で開業して出張施術も受け付けるというスタイルはどうだろう?」
そう考えるかたもいらっしゃるかもしれません。
ですが、それは絶対にやめたほうがよいと思います。
理由は、過去の記事で書いておりました三つのデメリット、
- 最高のパフォーマンスが出ない
- 店舗開業に比べ経験が積めない(数がこなせない)
- 客側の意識も上がらない
ということがやはり大きいです。
特に三つ目、客側のレベルが低下することがかなりのマイナスです。
出張施術というのは、受ける側が楽なのです。
電話して家に来てもらって、施術を受けて、あとはそのまま家でゴロゴロ。
楽ですよね。出かけなくていいので。
「行くの面倒だし、ちょっと来て揉んでよ」
結局はこうなのです。
その通りにするのが、施術する側・される側双方にとって本当によいことなのかどうなのか。
……まあ、よいはずがありません。「改善したいなら、来てください」
これでよいと思います。
足が悪くて歩けない? 階段を登れない?
それなら、出張専門のところを紹介するか、もしくはそのようなかたなら医師の同意書が得られるかもしれませんので、「訪問医療マッサージのほうを利用してください」という対応でよいと思います。
せっかく店舗開業したのに、出張施術を引き受けてしまう人が後を絶たないのはなぜか
ですが、現実としては残念ながら出張施術に手を出してしまう店は多いです。よくあるパターンとしては、
「開業したけどお客が全然来ない!」
ですね。
「ボーっとしているのも無駄だし、出張整体も始めるか……」
こんな感じで苦し紛れに出張施術を始めてしまうパターンです。
これはいけません。
一瞬は依頼が増えて「お、良かったのかな?」と思うかもしれません。
ですが、長い目で見れば確実にマイナスです。
出張するには準備時間が要りますし、移動時間も必要です。それらは死んだ時間です。
そのうち、死んだ時間が多くなることがジワジワとボディブローのように効いてきます。
また、「行くの面倒だし、ちょっと来て揉んでよ」というような意識の人は、改善に向けてのアドバイスを真剣に聞いてくれる可能性も低いです。
そのような人を相手にし続けることでモチベーションが低下し、自身の施術者としての成長も阻害されていくかもしれません。
開業直後はお客がついていなくて当然です。
下手に出張施術に手を出すのではなく、しっかりと地に足が着いた店舗運営を目指してください。
下手に出張施術に手を出すのではなく、しっかりと地に足が着いた店舗運営を目指してください。