一番初めに決めることになるのは開業する場所
施術のスキルを一通り身につけ開業する決意が固まったら。まず決めることは、本来であれば……
開業の形態
です。
- 自宅で開業
- 出張で開業
- 店舗を借りて一人で開業
- 店舗を借りてスタッフを雇って大々的に開業
ですが、本ブログの趣旨は、
- 50万円程度で小さく始める
- でも「治療院やってます」と堂々と言える水準の店にする
「3.店舗を借りて一人で開業」の一択
です。
これは考えなくてよいということになります。
では、その次に何を……となりますと、
開業する場所
です。これを考えていきます。
おまかな場所については、どこでもよい
まずは大まかな場所を決めます。「~市でやろう」「~駅の近くでやろう」「~沿線でやろう」
といったスケールのことです。
これにつきましては、基本的にどこでもよいということになります。
「自分の家がA市にあるからA市内でやろう」
「B町が好きだからB町でやろう」
この段階では、そんなレベルの決め方でまったく問題はありません。
ただし、極端な過疎地はやめましょう。
コンビニもないような町・村ではさすがに厳しいと思います。
おおまかな場所が決まったら、いきなり物件探し
院を開業する市町村が決まったら、インターネットもしくは不動産屋さんに直接足を運び、「施術所として使っても問題がない物件」を探していきます。「え、いきなり?」と思われるかもしれませんが、どのみち空いている物件がないと始められないわけですので、この段階で細かく考えすぎるのは無駄です。
細かく検討するのは、よさそうな物件が発見できてからでよいと思います。
また、探す際の注意としては、
店舗用でなく住居用の物件でも、家主さんから店舗としての使用が認めてもらえる場合があるということです。
ということで、
- ネットで探す場合は最初から「店舗用」で絞らない
- 不動産屋さんに直接行って探す場合は、一人で施術所を開業する旨と、居住用の物件でも歓迎の旨を伝える
居住用の物件の場合、店舗用のものに比べ礼金敷金が安いことが大きなメリットですね。キッチンなどをうまく隠せれば充分いけますよ。
家賃の目安は首都圏でも7万円未満に抑える
物件を探す際は、まず気をつけるべき点は家賃です。首都圏であっても7万円までに抑えましょう。そしてできればもっと安く、です。
理由としましては、一人で開業すると施術回数(つまり収入)が限られてしまうためです。
普通の一人整体院は、時間稼働率は50%程度と言われています。
そんなに低いのか? と思われそうですが、理由は以下のとおりです。
- 施術と施術の間にベッドメイクのためのインターバルが必要。
- お客さんにも都合があり、テトリスのように隙間なく入ってくれるわけではない。
忙しくて電話が鳴りっぱなしだとしても、ある程度以上になると施術回数は増えず、「その時間はダメなんですね? じゃあまた別の日にするわ」が増えるだけとなります。
結局50%程度に落ち着いてしまい、それ以上にはなかなかなりません。
(もちろん他の県から患者さんが来るようなマッサージ院・整体院になればその限りではありませんが、開業して最初からそのレベルというのは現実的な話ではないと思います)
つまり、8時間営業していても、施術しているのは4時間ほど。
1人1時間かけるのであれば、1日当たりの施術人数は平均4人程度となってしまうことになります。
すると、施術代を5,000円、一か月25日営業と仮定した場合、
1か月の売上 = 4人 × 5000円 × 25日 = 500,000円
となります。
ここから経費が引かれていくわけですが……
家賃や水道光熱費などをすべてあわせた経費は、一般的に家賃の2倍と言われています。
……恐ろしくないですか?
いかに厳しいかがおわかりいただけるかなと。ということで、
一人で開業する場合、家賃が高いところで始めるのは自殺行為ということでよいと思います。
家賃は首都圏であってもできれば5~6万、高くても7万円までに抑えましょう。
駅前である必要もないし、ビル1Fである必要もない
「でも安い家賃にこだわると駅前のいい場所が取れません!」とお思いになるかたが多いかもしれません。
その答えとしては、
「駅前のいい場所で開業してはダメですよ」
となります。
前述のとおり、一人で施術できる人数には限りがある(=収入に限りがある)わけです。
人通りの激しい駅前のビル1Fで開業しても、支出が増えるだけです。
スタッフを多数揃えて大きく始めるのであればよいのですが、一人で開業するのであればよすぎる立地は絶対にやめましょう。
駅から少し離れた、2F以上の物件がおすすめ
家賃で候補物件を絞っていくと、自然と以下のような条件になっているはずです。- 駅から少し離れている
- 建物の2F以上
少し長くなってきましたので、本記事はここでいったん切りまして、(2)に続きます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。