「あん摩マッサージ指圧師」になるための学校選び

2019/03/26

02 学校を選ぼう~学校生活 編

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「あん摩マッサージ指圧師」の資格が取得できる学校は少ない

「あん摩マッサージ指圧師」の資格が取得できる学校は少なく、全国で20校程度しかありません。

参考:あん摩マッサージ指圧師を目指せる専門学校の一覧
(リンク先はスタディサプリ様のサイトです)

そのほとんどが「はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧科(本科)」です。3年間ではり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の3つの国家試験の受験資格を得られます。
「鍼灸にも興味がある」というかたは3つの資格が取得できる学校を選びましょう。

ただし、学校のカリキュラムは3つの資格のために組まれていますし、勉強する学生もそれに合わせて勉強することになります。
なので、あえて懸念を挙げますと、あん摩マッサージ指圧の勉強については、次の見出しで紹介するような専科の学校よりも少し薄くなってしまうかもしれません。

「あん摩マッサージ指圧師」のみ取得できる学校に至っては、日本で3校のみ

これも有名な話で、あん摩マッサージ指圧の学科・実技のみを3年間学ぶ「あん摩マッサージ指圧科(専科)」がある学校は極端に少なく、日本で3校しかありません。

  • 日本指圧専門学校
  • 長生学園
  • 京都仏眼鍼灸理療専門学校の夜間部

本当にこの3つだけです。少ないですね。
これらの学校学科では、あん摩マッサージ指圧に特化した勉強を3年間おこなうことができます。

学校独自の手技がある場合も

学校によっては、国が指定しているカリキュラム以外にも独自の伝統的手技を教えている場合があります。
たとえば以下のようなものです。

  • 東京医療福祉専門学校…江戸時代から伝わる「吉田流あん摩術」
  • 日本指圧専門学校…浪越徳次郎先生によって体系化された「浪越指圧」
  • 長生学園…脊椎矯正をおこなう「長生療術」

これらの要素は、入る学校を検討する上では大きな意味を持ってくると思います。必ず学校のホームページで何か独自の技術がないかどうかは調べておいたほうがよいです。

「たった3年間でそういう伝統技術をマスターするのは無理でしょう? 卒業後に弟子入りを考えている人以外は関係なくない?」と思われるかもしれません。

が、そういう伝統技術を教えている学校では卒業後も強固なネットワークがあることが多いです。その場合は治療院を開業・経営しながらも、研究会への参加などでずっとその技術を追いかけていくことが可能ですので、学校見学の際などに聞いてみるとよいでしょう。

入学するのは難しくない

学校数が少なく定員に限りがあることから、「入学試験が難しい」と煽っているサイトもありますが、そんなことはありません。

たいていの学校では、社会人向けの「社会人入試」が存在します。
面接と小論文のみの試験内容というところが多く、学校間で難易度の差があるのは事実ですが、普通の社会人であれば受かると考えて間違いではありません。
難しくはないので安心してください。

夜間部はさらに入りやすい

また、夜間部の難度は昼間部よりも下がります。定員がなかなか埋まらない学校もあり、万一昼間部に落ちた場合や、極度に自信がないかたは併願されるとよいと思います。

ただし、「昼間は普通の総合職サラリーマン。定時後にマッサージの学校に行く」というのはほぼ不可能のように思います。18時に仕事を終えても、学校の夜間部が始まるのが18時です。間に合いません(笑)。
アルバイトなら充分に可能です!

学費は高いが、実はなんとかなる

3年間通いますので、学費はそれなりにかかります。もちろん4年制の私立大学よりは安いですが、だいたい3年間で300~500万円ほどはかかります。
この学費の額を見ると「無理」と思ってしまい、断念してしまう人が多いようです。
ですが、それは非常にもったいないと思います。

  • 学校独自の学費減免・奨学金制度
  • 日本学生支援機構、東京都育英資金などの奨学金
  • 日本政策金融公庫、各銀行などの教育ローン
  • ハローワークによる専門実践教育訓練給付制度

実はこれだけの調達手段が存在しています。
入学を検討する時点でまとまったお金がなくても、なんとかなることも多いのです。諦めずに手段を模索しましょう。

なお、4番目の「専門実践教育訓練給付制度」は聞きなれないものかもしれません。
これは平成26年から始まった制度です。社会人のキャリアアップを支援するための制度で、厚生労働大臣の指定をする教育訓練講座を修了すると、支払った経費の一部がハローワークから支給されるというものです。最大で168万円ということで、かなり高額です。
行きたい学校が指定講座になっていれば、検討してみるとよいかもしれません。
(支給には条件がありますので、詳しくはリンク先の厚労省のページをご覧ください)

お値段分のメリットはきちんとあります

この300~500万円という学費。
当ブログの「治療院を小さく始める」というコンセプトは開業までの無駄なコストを削ることでもありますので、相性が悪そうに見えてしまいそうです。

が、決してそんなことはありません。
「無駄な開業費を削る分、しっかりと医学・施術の基礎を身につけるために投資する」ことが患者さん・お客さんのためになります。

以下、メリットを挙げていきます。

最低限の医学知識を身につけることができる

独学では、専門学校に通った人と同じレベルの知識を身につけることは不可能です。
まだそんなことないでしょ? と思われるかもしれませんが、不可能です。
断言します。

通った人と、通っていない人の差。
開業したときの土台が違いすぎてしまうので、下手すれば差が一生埋まらない可能性すらあると思います。

つながりができる

3年間同じメンバーで勉強しますし、その間、先生方や、卒業生の方々ともつながりができます。
それは卒業後にも強力な武器となります。

医療従事者として、誇りをもって施術できる

残念ながら整体師をはじめ非国家資格系の施術者は、厚生労働白書での「医療関係従事者数」にカウントされていません。
マッサージは一生モノの仕事です。胸を張って「医療従事者です」と言えるのは大きいですよ。



お読みいただきありがとうございました。

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